ジェイ・サープについて

歩み・実績

HISTORY OF JSAAP

ジェイ・サープ研究会の歩み

本調査事業は、2004年度より採択された科学研究費補助金研究プロジェクトにおいて、研究代表者の山田礼子(同志社大学社会学部教授)を中心に、約10年にわたり開発を続けてきた学生調査の研究成果に基づきます。この研究プロジェクトは、第一に、日本における学生調査による大学のアウトカム・アセスメントの実現、第二に、日米韓を中心としたアウトカム・アセスメントの国際比較といった観点で行ってきました。「日本版大学生調査研究プログラム(Japanese Cooperative Institutional Research Program: JCIRP)」を立ち上げ、教育効果・学修成果を分析するための情緒的側面を重視した学生調査を開発するとともに、複数の機関で学生調査を継続的に実施し、機関間で比較可能なデータを長期的に収集してきたところです。
調査票の開発にあたっては、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(University of California, Los Angeles: UCLA)の高等教育研究所(Higher Education Research Institute: HERI)の許諾を得て、HERIが開発した代表的な全米規模のアセスメントである「大学生調査(College Student Survey: CSS)」、「新入生調査(CIRP Freshman Survey: CFS)」を基に、日本の大学生の実態を反映して独自に改良してきました。2004年のJCSS試行調査を経て、上級生用の「大学生調査(JCIRP College Student Survey: JCSS)」は、過去5回(2005年、2007年、2009年、2010年、2012年)の実施でのべ142大学、累計約28,000人の参加、2008年に開発した「新入生調査(JCIRP Freshman Survey: JFS)」は過去4回(2008年、2009年、2011年、2013年)の実施で、のべ334大学、累計で約54,000人の学生が回答しています。また、財団法人短期大学基準協会と協力して開発してきた「短大生調査(JCIRP Junior College Student Survey: JJCSS)」は2008年から毎年実施し、計6回の実施でのべ162短期大学、累計で約44,000人の短期大学生が参加しています。
これまでの研究成果は、日本高等教育学会、日本教育社会学会、アメリカ機関研究学会(Association for Institutional Research: AIR)等の学会で発表し、論文、図書、報告書として刊行してきました。それとともに、国際シンポジウム、国際ラウンドテーブルの開催にも取り組んできました。その成果の一部は山田礼子編著『大学教育を科学する -学生の教育評価の国際比較』(2009年、東信堂)などにまとめ、広く活用いただいています。また、近年は、参加大学がより簡便に利用しやすいようなデータベース構築を目指し、その実質化を図ってきました。
こうした実績に基づき、このたび調査事業の体制を見直し、2014年7月、有限責任事業組合ジェイ・サープ研究会を設立しました。日本の大学生の実態に適するように調査票の改良を重ね、新たに開発したジェイ・サープ(Japanese Student Achievement Assessing Project: JSAAP)では、新入生調査と大学生調査の2種類の学生調査をご案内します。※

※短大生調査は、2014年より一般財団法人短大基準協会において独自に行うようになりました。