各大学の教育改善に資する「全国大学共通型」学生調査プロジェクト
ジェイ・サープとは?

学生の特徴、学習/生活行動などの学びの習慣のほか、
学生自身の自己評価、価値観、満足度などを知ることができます
「ジェイ・サープ」とは、国内各地の高等教育研究者有志によって組織された「ジェイ・サープ研究会」が新たに開始した、各大学の教育改善に資する“全国大学共通型”学生調査です。
私どもの研究チームでは、これまで約10年にわたり科学研究費補助金を得て、複数大学共通の学生調査の開発を行ってきました(この間の研究成果の一部は、山田礼子編著『大学教育を科学する -学生の教育評価の国際比較』(2009年、東信堂)などにまとめております)。この間、大学の新入生を対象とした「新入生調査」と、おおむね3年生を想定した「大学生調査」の2種類の学生調査を2005年から遂行し、のべ476大学82000名以上の学生の皆さんの価値観、時間の使い方、キャリア意識などに関してデータの収集と提供、分析を行ってきました。
こうして蓄積したノウハウをもとに、2014年度より新たに「有限責任事業組合ジェイ・サープ研究会」を立ち上げ、学術的な裏付けのある学生調査を継続して行うこととしました。
大学における、より良い教学マネジメントにはデータに基づく意思決定が欠かせません。近年、日本の高等教育界においてもIR(インスティチューショナル・リサーチ)の要がいわれるのは、このデータ志向の教学マネジメントの有効性が認識されてきたためでもあると言えます。一方で、教学マネジメントに用いるデータの中でも特に重要な学生に関するデータを収集するため、実際に適切な調査を設計し、実施することは容易ではありません。
本学生調査は、共通の調査項目に基づいて、全国の大学と自大学の比較が可能なデータを提供します。また、学生集団の経年的な変化や、必要に応じて学生個人の追跡評価も可能な設計になっています。また、(個別大学名が相互に特定されない形で)複数大学のベンチマーキングも可能なように設計されています。
願わくば、より多くの大学に本学生調査を活用いただき、各大学のIRさらには教学マネジメントの充実に活用いただけましたら幸いです。